ドメイン取得は絶対に信頼できるサービスを使うべき理由

ドメイン登録業者(ドメインを取得するためのサービス)は日本のサービスだけでもムームードメイン、バリュードメイン、お名前.comなど、たくさんのサービスがあります。

どのサービスで取得しても大きな違いはありませんが、実績ある信頼できるサービスを選ぶことが重要です。

ドメインはウェブサイトを支える根幹です。もしレンタルサーバーに問題があっても、ドメインが無事ならデータを別のサーバーに移行してしまえば問題なくウェブサイトを維持する事ができます。

しかし、ドメインにトラブルがあった場合、ウェブサイトの表示自体が不可能になってしまいます。

趣味のウェブサイトならまだしも、自身のビジネスに利用している場合には、大惨事になりかねません。

ドメイン取得サービスのトラブル例

ドメイン登録業者のトラブルはそんなにあるのか?

決して多い訳ではありませんが、とはいえゼロではありません。

例えば、2018年には、サービスがあまりにもいい加減であったため、利用していたドメインが正常に機能しなくなってしまったというレポートが海外で公開されています。

エンジニアのTomislav Lombarovicさんは、「uptimechecker.io」というドメインの名前解決が不安定になっていることに気付きました。ドメインが停止されてしまうと、Uptimechecker.ioが提供している監視・通知サービスも停止してしまうため、uptimecheckerだけではなくユーザーの活動にも支障が出てしまいます。

(中略)

「uptimechecker.io」のDNSサーバーの設定がなぜかデフォルト値になってしまっていることに気がつきました。これは「Uptimechecker.ioのシステムが完全にダウンしている状態になってしまっていた」ということを意味します。
Lombarovicさんは「このままではユーザーがサービスにアクセスできない。緊急を要している」と再度サポートに連絡を行いました。そして待つこと8時間後、ようやくサポートから回答が届いたとのこと。しかし、その内容は「ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。24~48時間以内にスペシャリストから送られる指示に従ってください」という、ユーザーのサービスがドメイン停止でダウンしていることに全く危機感を覚えていないような文面だったとのこと。

出典:怠慢なレジストラのせいでドメインが停止してウェブサービスがダウンしてしまったという驚きの報告 – GIGAZINE

超大手であるGoogleでもトラブルが発生

2015年に開始されたGoogleのドメイン登録サービス「Google Domains」は、利用者のウェブサイトに問題のあるコンテンツがあった事を理由に、事前の通知なく利用者のドメインを凍結しました。

ドメイン管理をGoogle DomainsからCloudflare Registrarに移行するそうです。通知なくドメインを突然凍結し、悪意のあるコンテンツを事前に把握していたはずなのに報告もしてくれず、悪意のあるコンテンツを1つでも検出すればすぐにドメイン全体をブロックしてしまうのが理由だと語られています。

出典:Googleにドメインをブロックされたウェブサービスが「Cloudflareに乗り換える」と恨み節 – GIGAZINE

また、さらに間抜けな事に、Google Domainsは自社のサービスであるGoogleのドメイン・Google.comをバグで失いかけています。

Googleのあらゆるサービスに使われているドメイン「google.com」が、Googleのドメイン登録サービスGoogle Domainsを経由して一般人に取得されてしまうという出来事が発生しました。

出典:「google.com」をわずか1分で占領することに成功してしまった男 – GIGAZINE

そんなGoogle Domainsは、登場から8年後の2023年に他社へ売却されました

他社(Squarespace)に移管されるだけなので、ドメインが使えなくなるわけではありませんが、これまで使用していたサービスではなくなってしまうのは確かです。

日本でもドメイン登録業者のトラブルは存在する

ドメイン登録業者のトラブルは日本でも起こっています。

日本では2014年にVALUE DOMAINで障害が発生しました。

GMOデジロック株式会社が運営するドメイン名登録代行サービス「VALUE DOMAIN(バリュードメイン)」で22日、提供しているネームサーバーへの攻撃により、一部利用者のドメイン名について名前の解決ができないなどの障害が発生した。

出典:VALUE DOMAINのネームサーバーに障害、通常の50倍程度の攻撃で応答困難に -INTERNET Watch Watch

こうしたトラブルや仕様変更はそう起こるものではありません。

しかし、無名のサービスや海外のサービス、サポートが充実していないサービスだと、いざトラブルが起こった際に対応などができず困ってしまいます。

Googleの例を見ても分かる通り、大手なら安心という訳でもありませんが、有名で実績あるサービスなら、トラブル時にも誠実な対応を期待できるでしょう。

1つ言える事は、価格や広告の印象、ネームバリューで安易にドメイン登録業者を選んではいけないという事です。

例えばGoogle Domainsは超大手企業であるGoogleが運営しているサービスでしたが、事前連絡なしのドメイン凍結や急なサービス終了(他社への移行)が起こりました。

まとめ

ドメイン取得業者のトラブルにより、ウェブサイトやサービスが利用できなくなってしまうというトラブルは、決して多くはありませんが、ゼロではありません。

また、業者に問題は無くても、自身のミスでトラブルが起こってしまう可能性もあります。

ドメインにトラブルが起こると、自身のウェブサイトやサービスが使用できなくなり、大きなトラブルに繋がります。

なので、ドメインを取得する際は、実績があり、使いやすい(操作ミスが起こりにくい)サービスを利用しましょう。

【ドメイン】.blog

ドメイン .blog
意味 Blog(ブログ)
用途 ブログ
登場 2016年
公式サイト Knock Knock WHOIS There

特徴

.blogドメインは、名前の通りブログで使用されることを想定したジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)です。

WordPress.comを運営するAutomatticがレジストリを担っています

使用例

.blogドメインを使用したウェブサイトには以下のようなサイトがあります。

また、Appleは「apple.blog」を、Amazonは「amazon.blog」所有しており、アクセスするとそれぞれプレスリリース等を掲載しているニュースリリースのページにリダイレクトされます。

他、.blogドメインを採用しているウェブサイトは以下のページでチェックする事が可能です。

ドメインの取得

.blogには特別な制限がないので、個人でも法人でも無条件で何個でも取得可能です。

他のドメインと同様、取得は早い者勝ちなので、気になるドメイン名や文字列がある方は早めに登録し、抑えておきましょう。

料金はドメイン取得サービスのXserverドメインでは以下のようになっています。

  • 登録:480円(1個目は1円)
  • 更新:3,820円
  • 移管:3,820円

価格は全て税込で、1年更新です。

.comや.netと比べるとちょっと高いですね…

個人の自由とプライバシーが考慮されたドメイン「.is」とは?

ドメイン .is
アイスランド(アイスランド語:Ísland)
用途 アイスランドに関するサイトなど
公式サイト ISNIC Registry

.isはアイスランドに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)です。

強力なプライバシー保護

アイスランドは北極圏付近にある火山と氷河が多い島国です。プライバシーと言論の自由に関する法律が整備されており、世界規模の監視ネットワークであるファイブアイズ(通信傍受網で電話やメールなどの情報を収集、分析しているとされる英語圏5カ国によるUKUSA協定)とも距離を置いています

そうした点から、アイスランドの.isドメインは、「プライバシーと言論の自由」という側面から最も優れたドメインであるとカリフォルニア大学でコンピューターサイエンスを研究していたスペンサー・チャーチル氏は述べています

ドメインの取得

.isドメインの登録について。

日本人の取得

.isドメインは外国人であっても登録する事ができます。

日本国内ではゴンベエドメインが.isドメインを取り扱っています。

参考:isドメイン登録 (アイスランド) | Gonbei Domain

登録できる文字は?

.isのドメイン名に利用できる文字は以下の4種類です。

  • 英語アルファベット
  • アラビア数字
  • ハイフン
  • á、é、ý、ú、í、ó、þ、æ、ö、ð

一番下の10個の文字は、アイスランド語アルファベットで使用される特殊文字です。

ハイフンで始まるドメイン名やハイフンで終わるドメイン名は登録できません。また、3番目と4番目の両方の位置にハイフンを使う事はできません。

ドメイン名(.is部分を含む)の最大文字数は66文字、アイスランド語の特殊文字を含む場合は59文字です。ドメイン名の大文字と小文字は区別されません。

登録できないドメイン名

以下の6つは将来使用されることを考えて予約されているため登録する事はできません。

  • com.is
  • net.is
  • org.is
  • edu.is
  • gov.is
  • int.is

【ドメイン】.shop

ドメイン .shop
意味 Shop(お店)
用途 通販サイトなど
登場 2016年

.shopは2016年9月27日0時(日本時間)より世界同時に一般登録が開始された新しいドメインです。

.shopのshopはもちろん「お店」の「shop」です。

使用例

.shopドメインを使用したウェブサイトには以下のようなサイトがあります。

【ドメイン】.tv

ドメイン .tv
Tuvalu(ツバル
用途 テレビ関連、動画サイト

本来はツバルに割り当てられている国別コードトップレベルドメインですが、「TV(テレビ)」と同じ綴りであることから、テレビや動画に関するウェブサイトにしばしば利用されます。

.tvが制限なく誰でも登録できるのは、ツバルが2000年に.tvの使用権をIT企業に売却している為です。ツバルは.tvを売却して得た利益を元に、189番目の国家として国連加盟を果たしました(参考:ツバル国が「.tv」ドメイン売却益で国連加盟を果たす)。

ちなみに、外務省のデータによると、ツバルの面積は東京都品川区とほぼ同じ26平方キロメートルで、人口は11,310人(2022年、世界銀行)です。

使用例

.tvドメインを使用したウェブサイトには以下のようなサイトがあります。

【ドメイン】.ai

ドメイン .ai
Anguilla(イギリス領アンギラ
用途 AI(人工知能)

本来はイギリス領アンギラに割り当てられている国別コードトップレベルドメインですが、世界中の誰でも登録できるため、「AI(人工知能)」を表すドメインとして人気です。

その為、アンギラは.aiの販売だけで多額の利益を得ています。

AI関連サービスの提供者が急増する中、「.ai」を含むドメインの取得も増加しており、アンギラは大きな利益を得ています。アンギラが発表した収支報告には、ドメイン登録だけで2020年に1433万787東カリブ・ドル(約7億7079万円)、2021年に1999万3620東カリブ・ドル(約10億7537万円)の利益を得たと記されているほか、2023年には2229万8435東カリブ・ドル(約11億9934万円)の利益を得ると見積もられています。

出典:AI人気で「.ai」ドメインを持つカリブ海の小さな島「アンギラ」が年間数十億円を稼いでいる – GIGAZINE

収益は政府予算の一部に組み込まれており、国債の償還に充てられているほか、固定資産税が廃止されるほど潤っているとのことです

アンギラは人口が約15,000人の小さな島国です。その為、ドメイン販売による利益は国の財政にとって非常に大きなものなのでしょう。

使用例

.aiドメインを使用したウェブサイトには以下のようなサイトがあります。

【ドメイン】.app

ドメイン .app
意味 Application(アプリケーション、アプリ)
用途 アプリやアプリ開発者のウェブサイト
登場 2018年

特徴

.appを利用しているウェブサイトへのアクセスはHTTPSが必須になっています。

使用例

.appドメインを使用したウェブサイトには以下のようなサイトがあります。

トップレベルドメイン(TLD)とは?

トップレベルドメイン(TLD:Top Level Domain)とは、ドメイン名の最後の部分(ドットで区切られた文字列の一番右の部分)のことを指します。

「www.google.com」の「.com」や「yahoo.co.jp」の「.jp」がトップレベルドメインです。

ちなみに、「yahoo.co.jp」の「co」はセカンドレベルドメイン、「yahoo」はサードレベルドメインと呼びます。

トップレベルドメインの例

ドメイン 意味
.com 商用
.net ネットワーク(Network)
.org 団体(Organization)
.app アプリ(Application)
.blog ブログ(Blog)
.info 情報(Information)
.shop お店(Shop)

ccTLD

「.jp」や「.io」など、国や地域ごとに割り当てられたトップレベルドメインは「国別トップレベルドメイン(ccTLD:Country Code Top Level Domain)」といいます。

ccTLDの例

ドメイン 国・地域
.jp 日本
.ai イギリス領アンギラ
.us 米国
.tv ツバル
.io イギリス領インド洋地域
.is アイスランド
参考

1文字の.comは世界に3つだけ

英語アルファベットは26種類(A~Z)ありますが、1文字の.comドメインはわずか3つしかありません。

1つはイーロン・マスク氏が所有している「X.com」です。SNSのX(旧Twitter)として利用されているので、知っている方も多いかと思います。

残り2つは、日本のGMOが使用している「Z.com」とQuantum Fiberが所有している「Q.comQuantum Fiberへリダイレクトされます)」の2つです。

また、o.comも登場する予定ですが、まだ使用されていません。

ドメイン(リンク) 使い道 所有者
O.com 登場予定
Q.com Quantum Fiberへのリダイレクト Q Fiber, LLC.
X.com SNS「X」のURL イーロン・マスク
Z.com GMOの海外戦略統一ブランド GMO